あーくんの話

 

あーくんには終電で帰った日に最寄駅で会う。

 

あーくんは徒歩でわたしは自転車。改札から駐輪場までの5分間にいろんな話をする。

あーくんも私も人の話をあまり聞かないので、いつ会っても今何で忙しいかの近況報告になる。昨日はバイトの勧誘をされて、今月30万稼ぐ話を聞いた。

 

あーくんは小中学校の同級生。小学校4年生から一緒のブラスバンドクラブに入っていた。

あーくんが私に告白したのは6年生の12月。バスの車窓から見える紅葉よりも綺麗だと言われて付き合った。今思えばわけがわからない口説き文句。

あーくんとのことは仲の良い友達2人にしか言わなかった。とはいえ小学生の私たちは何をするわけでもなく、毎日笑顔を交わし合う他には2月のバレンタインチョコを1人だけ豪華にしたのと、3月25日のあーくんの誕生日にファミマの無印のペンをお小遣いで買ったぐらいだった。

 

あーくんとは中学校1年生のとき同じクラスだった。

あーくんは陸上部に入った。彼女自慢をしたらしく、陸上部員に冷やかされた。

あーくんとは中学1年生の4月中に口外されたショックと冷やかされた恥ずかしさで別れた。

 

あーくんとはその後ちょっとだけ気まずかった。でも秋にネットの怪しい人に会おうと言われて悩んでいる私を叱ってくれた。それ以来元の関係に戻った。

 

あーくんとは高校は別々だった。

あーくんの行った高校は進学校ではなかった。あーくんは私が聞いたことのない大学に進学した。

 

あーくんは2回生にならずに大学を辞めていた。家の事情らしい。

あーくんはユニバで身を粉にして働いて、家にお金を入れている。冬前に会った日には明日から34連勤!と言っていた。

 

あーくんの今の彼女はユニバで知り合って付き合った「ユニ恋」だそうだ。

あーくんにも私にもちゃんとした恋人がいると思うと、なんだかすごくおもしろい。

 

あーくんとはいつもおつかれさま〜と言って別れる。心からのおつかれさまだ。

あーくんと次会うのはいつだろうなぁ…次会った時も堂々と話せるように私は私の毎日をしっかり生きよう。