お米の神様

 

一粒の米には七人の神様がいる。

 

小さい頃からの祖母の教えだ。

父の実家は米農家で、毎年ゴールデンウィークは親戚一同で田植えをする。


大学生になり、丼屋でアルバイトを始めた。飲食店には残飯がつきものだ。始めた当初は返却された器に残されたお米を見るとなんとも言えない気持ちになったものだ。


先日、家族揃っての夕食でのこと。

デザートを食べようと立ち上がると、父が冗談混じりに

「お米残ってるやん 一粒の米には何人の神様がおるんやった〜?」

と私の茶碗を指差した。

たった2粒。父はそれを見逃さなかった。

背筋が伸びた。アルバイトも3年目、大切なことをすっかり忘れていた。

あぁ、私が育った家はこういう家だったなぁ…そう思うと何だか優しい気持ちになった。

最後の2粒も美味しかった。


一粒の米には七人の神様がいる。そう聞いてはじめに思い浮かぶのは祖母の顔だ。次に祖父、その次に父、叔父や叔母…全ての神様に感謝して、最後の一粒まで残さず食べようと思う。